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佐藤 努
SMECTITE, 6(1), p.45 - 48, 1996/00
放射性廃棄物処分の安全性研究では、地球表層での水による物質の分解、移動、貯留現象の把握と変化の予測が要求されている。そのためには、代表的な地殻構成物質である粘土鉱物と水の相互作用や粘土鉱物中の水の性質を明らかにする必要がある。本文献紹介では、粘土鉱物の吸着水のコンピュータシミュレーションに関する研究や書籍を紹介し、得られたデータや著者の見解をまとめるとともに、筆者の考えるコンピュータシミュレーションによる解析の問題点を指摘した。
佐藤 努
SMECTITE, 6(2), p.33 - 36, 1996/00
廃棄物処分の安全性研究では、処分場から漏洩する重金属や放射性核種、およびその化合物と環境構成物質との相互作用を明らかにする必要がある。特に、それらの長期挙動を把握するためには、収着サイトと収着形態に関する理解が不可欠である。本文献紹介では、代表的な地殻構成物質であり、各種の廃棄物処分場に緩衝材として設置予定のスメクタイトとウラニルイオンの相互作用に関する研究を紹介し、ウラニルの収着サイトに関して現在までに得られている知見をまとめた。また、先行研究で得られた結果を比較する際に注意しなければならない点や困難点に関して筆者の考えるところを記述した。
佐藤 努
SMECTITE, 5(1), p.35 - 38, 1995/00
地球表層における諸緩衝作用の主役を担っている膨張性粘土鉱物の物性は、構造中の同型置換による層電荷の量や位置の違いによって影響される。したがって、膨張性粘土鉱物の物性と層電荷の関係を正確に把握することは、地球表層物質による種々の緩衝作用を理解する上で重要となる。本文献紹介では、膨張性粘土鉱物の層電荷の起源である同型置換位置の違いが諸物性に及ぼす影響と層電荷分布のキャラクタリゼーションに関して論じられた論文を紹介し、それぞれの見解や現在までの知見をまとめた。また、この分野において今後期待される研究の発展方向について、筆者の考えを述べた。
佐藤 努
SMECTITE, 4(1), p.48 - 51, 1994/05
ベントナイトの主成分鉱物であるスメクタイトの地球化学的過程における熱力学的挙動を予言するためには、スメクタイトの反応性や安定性についての理解が不可欠であり、そのためにも、スメクタイト族に含まれる鉱物どうしの相関係や関連鉱物との相関係の解明が必須となる。本文献紹介では、中間組成を持つスメクタイトの相関係に関する研究を紹介し、それぞれの見解や筆者が考える問題点についてまとめた。また、相関係を論ずるためのデータとその信頼性について、筆者の考えを明示した.
佐藤 努
SMECTITE, 4(2), p.43 - 45, 1994/00
地球表層の主要な鉱物である2:1型層状ケイ酸塩鉱物の諸物性は、構造中の同型置換の量と位置の違いにより影響される。その同型置換の主なものは構造中のSiのAlによる置換である。したがって、構造中におけるSi・Alの分布を正確に把握することは、地球表層における層状ケイ酸塩鉱物の挙動を理解する上で重要となる。本文献紹介では、固体NMRにより調べられた「2:1型層状ケイ酸塩鉱物のSi・Alの分布」に関する研究論文や書籍を紹介し、それぞれの見解や現在までの知見、筆者の考える問題点についてまとめた。また、地球科学分野において今後期待されるNMR研究の発展方向について示唆した。
佐藤 努
SMECTITE, 3(1), p.39 - 41, 1993/05
高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、緩衝材の主成分であるスメクタイトの長期安定性を保障する必要がある。スメクタイトの長期安定性で最も問題となるのが、スメクタイトのイライトへの変質である。本報告は、現在までに公表された、スメクタイトのイライト化のカイネティクスの研究について紹介し、それぞれの成果をまとめるとともに、問題点を指摘したものである。